お子さんの「運動感覚の発達」について
〜発達性協調運動障害(DCD)や運動に不器用さが見られる場合〜
はじめに
お子さんがボールを投げたり、字を書いたり、手先を使った遊びをするときに「なんだか不器用かも?」「動きがぎこちない」と感じたことはありませんか?
こうした運動の困りごとは、感覚と運動の発達に関わる脳の働きが影響していることがあります。今回は、お子さんの運動や感覚の発達についてご説明します。
感覚と運動は、脳の発達に大切な土台です
赤ちゃんの頃から、目・耳・手・皮ふなどを通して「見る」「聞く」「触れる」といった感覚が育ちます。こうした感覚の刺激が脳に届くことで、運動や学びの力が育まれていきます。
お子さんは、日々の遊びや生活の中で感覚を通じて環境を理解し、体の使い方を覚えていきます。
運動には3つの種類があります
① 微細運動(びさいうんどう)
手先や指先を使った細かい動きのことです。
・ボタンを留める
・折り紙や工作をする
・お箸を使う
などが当てはまります。
この力が弱いと、日常生活の細かい作業や芸術活動などで困ることがあります。
② 書字運動(しょじうんどう)
書くための動きに特化した運動です。
・文字の形をうまくイメージできない
・字が読みにくい、バランスが悪い
・書くのに時間がかかる、強く書きすぎて鉛筆が折れる
といった特徴があります。手先は器用でも「書く」ことだけが苦手な場合もあります。
③ 粗大運動(そだいうんどう)
体全体を使った大きな動きのことです。
・ボールをうまく投げたり受け取ったりできない
・ジャンプや平均台、バランスをとるのが苦手
・体の位置や動きの感覚(バランス感覚・体の向き)がつかみにくい
といった様子が見られることがあります。ダンスや水泳、体操など複雑な動きにも苦手さが出ることがあります。
ダイプラキシア(発達性協調運動障害)とは?
動きを頭の中でイメージし、体をうまく使って実行する力が弱い状態を「ダイプラキシア(発達性協調運動障害:DCD)」といいます。
この状態のお子さんは、動作の順番を考えたり、複雑な動き(たとえば組み立て遊び、運動、着替えなど)をスムーズに行うのが難しくなります。
発達性協調運動障害(DCD)とは
DCDは、子どもの年齢や学びの機会に比べて運動の習得や実行が苦手で、そのことによって
- 毎日の生活(食事・着替えなど)
- 学校での活動(体育・図工・書写など)
- 遊びやスポーツ
に支障が出る状態です。DSM-5という国際的な診断基準でも「運動の発達障害」として分類されています。
どうサポートすればいい?
まずは、お子さんの困りごとを理解し、叱らずに「できた経験」を積み重ねていくことが大切です。
専門機関では、作業療法士などが評価・支援を行います。遊びを通じて運動の感覚や使い方を身につけられるようサポートします。
おわりに
「なんとなく不器用」「みんなと同じようにできない」と感じたとき、実は脳の発達や感覚の受け取り方が関係していることがあります。
早めに気づいて、適切な支援につなげることで、お子さんの生活が楽になり、自信を持って成長していけるようになります。
気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。