フルミスト接種後の発熱と、インフルエンザの診断・治療についてのお知らせ
今年はインフルエンザの流行が例年より早く始まり、すでに流行している中でフルミストを接種することになりました。
フルミストは9月下旬頃からの供給となるため、流行が始まる前に接種することが難しい状況でした。
フルミストは通常の注射ワクチンとは異なり、弱毒化したインフルエンザウイルスを使用するため、接種後の発熱やインフルエンザの診断・治療について、いくつか注意していただきたい点があります。
当院での対応方針についてご案内します。
1.フルミスト接種後の発熱とインフルエンザの診断について
フルミストは、弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻の粘膜で増殖させ、免疫をつくるワクチンです。
そのため、接種後に発熱した場合、インフルエンザの迅速検査で陽性になっても、ワクチン由来のウイルスによるものなのか、実際に流行しているインフルエンザウイルスに感染したのか、区別できないことがあります。
また、フルミストを接種してから十分な免疫が形成されるまでには、約2週間かかります。そのため、接種直後に本当のインフルエンザに感染する可能性もあります。
このような事情から、当院では検査結果だけで判断するのではなく、接種からの日数、発熱の経過、周囲の流行状況、診察所見、お子さんの全身状態などを総合して、検査や治療の必要性を判断しています。
2.抗インフルエンザ薬の使用について
フルミストは、鼻の中でワクチンウイルスが増殖することによって免疫が誘導されます。
そのため、接種後2週間以内にタミフルなどの抗インフルエンザ薬を使用すると、ワクチンウイルスの増殖が抑えられ、フルミストの予防効果が弱まる可能性があります。
当院では、症状が軽く、全身状態が良好な場合には、抗インフルエンザ薬を使用せずに経過をみることもあります。
一方で、症状が強い場合や、重症化のリスクが高い場合には、必要な治療を優先します。
ワクチンの効果を保つために、必要な治療を控えることはありません。
3.抗インフルエンザ薬を使用した場合の追加接種について
日本では、フルミスト接種後に抗インフルエンザ薬を使用した場合の追加接種について、全国一律の明確なルールは定められていません。
一方、海外では、フルミスト接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬を使用した場合、注射によるインフルエンザワクチンの追加接種が推奨されています。
当院でも、この考え方を参考に、抗インフルエンザ薬によってフルミストの予防効果が十分に得られていない可能性がある場合には、回復後の追加接種を検討することにしました。
本来、注射が苦手だからという理由で、フルミストを選ばれたお子さんも多いと思います。
そのお子さんに、改めて注射をお願いするのは心苦しいところです。
しかし、ワクチン接種の本来の目的は、単に「ワクチンを接種すること」ではなく、インフルエンザに対する免疫をつけ、感染や重症化のリスクを減らすことにあります。
せっかくフルミストを接種したにもかかわらず、抗インフルエンザ薬の使用によって十分な予防効果が得られていない可能性がある場合には、追加接種についてもご案内する必要があると考えています。
4.当院での追加接種の対象と費用について
当院では、以下の3つの条件をすべて満たすお子さんについて、注射によるインフルエンザワクチンの追加接種を、自己負担1回1,000円で行います。
対象となる条件
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当院でフルミストを接種したこと
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当院で診察を受け、インフルエンザと診断が確定したこと
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当院で抗インフルエンザ薬の内服治療を開始したこと
追加接種に関する注意事項
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フルミスト接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬を使用した場合が対象です。
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追加接種には、従来の注射によるインフルエンザワクチンを使用します。
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フルミストの国内承認用法は1回接種であり、当院では2回目のフルミスト接種は行いません。
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追加接種のタイミングや回数については、お子さんの年齢、接種歴、病状などを踏まえて個別に判断します。
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追加接種は当院独自の対応であり、上記の条件をすべて満たす方に限り、自己負担1回1,000円で実施します。
最後に
今年のようにインフルエンザの流行が早い年は、フルミスト接種後の発熱について、ワクチンの影響なのか、実際のインフルエンザ感染なのか、判断が難しくなることがあります。
当院では、不要な検査や治療はできるだけ避けながら、必要な治療は適切に行い、その後のワクチンによる予防効果についても考慮して対応していきます。
フルミストを接種したお子さんが発熱した場合には、接種日や症状の経過をお知らせください。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

