コラムcolumn
病気の話

保湿剤、どれくらいの量を使うのが目安?

〜「正しく・たっぷり」で肌を守るコツ〜

保湿剤を処方してもらったけれど、1ヶ月でどれくらい使うのが普通なのかな?毎日塗っているけれど、今の量で足りているのか不安……。

日々のスキンケアで、そんなふうに迷われる親御さんは少なくありません。実は、保湿剤の効果を最大限に引き出すポイントは、何よりもその「量」にあります。今回は、目安となる量の考え方と、賢い使い分けについてお伝えします。


1. 塗る量の基準は「FTU(エフティーユー)」

保湿剤の量を測る共通の物差しに「FTU(フィンガー・チップ・ユニット)」という単位があります。

  • 1 FTU = 大人の人差し指の先から第一関節まで出した量(約0.5g)

  • この量で「大人の手のひら2枚分」の面積が塗れます。

塗った後に肌が少しテカっとしている、あるいはティッシュペーパーがくっつくくらいのしっとり感が、十分な量のサインです。


2. 「最大量」と「実際の使い分け」の目安

「保湿剤は1ヶ月に数百グラム必要」という計算を耳にすることがあるかもしれません。これは、医学的な計算に基づいた「理想的な最大量」を指しています。

【理論上の最大量(目安)】

1歳前後のお子さんが、頭から足の先まで「全身・1日2回」隙間なく塗った場合、計算上は1ヶ月で300g〜400gほど必要になることがあります。

【実際の使い方のイメージ】

しかし、実際には季節や肌の状態に合わせて調整するのが一般的です。乾燥しやすいお腹や背中、手足を中心にする、夏場や調子が良い時は回数を減らす、といった現実的なケアの場合、1ヶ月の消費量は100g〜200g程度に収まるのが標準的です。


3. スキンケアは「質より量」が特効薬!

ここで一番大切なポイントをお伝えします。スキンケアにおいて最も重要なのは、高級な製品を使うことではなく、「十分な量を、惜しみなく塗ること」です。

足りない時は「市販品」を賢く活用してOK

冬場の乾燥が強い時期や、広範囲にたっぷり塗りたい時など、状況によってはクリニックでお出しできる目安量(保険診療の範囲)を超えて保湿剤が必要になることもあります。

そんな時は、ドラッグストアなどで買える市販の保湿剤を併用していただいて全く問題ありません。 最近の市販品は非常に質が高く、医療用と比べて保湿のグレードに大きな差が出ることはほとんどありません。足りない分は市販品で補いながら、常に肌が潤っている状態をキープしてあげましょう。


4. 1ヶ月の必要量早見表(1歳前後)

ケアの強度 塗る範囲・回数 1ヶ月の目安
しっかり 全身・1日2回 約300〜400g
標準的 全身・1日1回 約150g
部分ケア 体幹のみ・1日2回 約120〜150g
ポイント 体幹のみ・1日1回 約60g

5. 当クリニックの処方方針

当クリニックでは、お子さんの肌の状態や、ご家庭での塗り方に合わせて、必要な分を適切に処方するよう心がけています。数値はあくまで目安です。一番の目的は、お子さんが痒がらず、健やかな肌で過ごせること。そのための「ちょうどいいバランス」を、一緒に見つけていきましょう。